5月に入って、新入部員も少しずつ、部活に慣れてきた頃ではないでしょうか?
担当楽器が決まると、コンクールに向けて、今度はそれぞれの楽器内でパート決めの時期がやってきますね。
コンクール曲のパート決めは、オーディション結果などで顧問の先生が決める場合ももちろんありますが、パート内を熟知しているパーリー(パートリーダー)に任せる学校もあると思います。
そこで今回は、「ホルン4パートの役割は?上吹きも下吹きも大切な理由を元パーリーが解説」について、記事を書いてみました。
ホルン4パートは、それぞれに大切な役割があるニャ!
その通りで、例えば「ソロが多いから1stをやりたい!」という理由だけでパートを決めてしまうのは、元パーリーの私からするととっても心配なのです(+_+)
ホルン4パートの役割を、簡単にまとめました。
- 1st…ホルンパートのアンサンブルリーダーとしての素質が求められる。向いているのは「黙って俺について来い!」な九州男児タイプ。
- 2nd…普段は「あなたに従います」な良妻賢母タイプ。けれど1stが安心してハイトーンを飛ばせるかどうかは、実際のところは2ndの手腕にかかっている。手のひらの上で1st奏者を転がす影のボス( ̄ー ̄)ニヤリ
- 3rd…ハイトーンが得意で、時に1stに代わりリードもできる素質を求められる。本来は「目立つのは得意じゃないから2番手で」と、品行方正で控えめな副委員長タイプ。
- 4th…ホルンパートを底辺で支えながらも、メロディーがくれば1stとユニゾンで高音を吹くこともある為、幅広い音域を吹きこなせることが絶対条件。常にどっしり構えた「サポートなら任せて!」な縁の下の力持ちタイプ。
こうして見てみると、どのパートにもきちんと役割があって、なくてはならない存在なのがわかると思います。
だからこそ個人の好みや希望でパート分けをしてしまうのは、あまり賛成できません。
個人の性格や向き不向き、音域や音の太さに音量など、様々な角度から適性を判断して決めるのがおすすめ。
小中高とパーリーを務めた私がホルン4パートの役割を解説するので、パート決めの参考にしてもらえたらうれしいです(^^)
ホルン4パートのそれぞれの役割とは?
まずホルンは、1st・2nd・3rd・4thの4つのパートから成り立っていて、上吹き(高音域)担当と下吹き(低音域)担当に分かれます。
楽譜は「1st・2nd」と「3rd・4th」で分かれていますが、ホルンの上吹きとは1st・3rd、下吹きとは2nd・4thを指します。
(注:曲によっては、楽譜が「1st・3rd」と「2nd・4th」で分かれるものもあります。)
ホルンに4パートもあるのは、ずばり4つの音(4和音)でハーモニーを作る為。
4パートそれぞれに、きちんと役割があります。
だから単純に「メロディーを吹きたいから1stをやりたい!」、「新入部員だから一番下の4thをやってもらえばいいんじゃない?」などの理由でパートを決めてしまうのは、ちょっと…いやかなり心配(+_+)
ホルンのパート分けは、性格・向き不向き・音域・音の太さ・音量など、様々な角度から適性を判断して決めるのがおすすめです^^
まずは1stから4thまで、それぞれパートの役割を解説しますね。
1stはホルンのアンサンブルリーダー
1stはまさしく、ホルンのトップ。
ホルンの顔として、4パートの中で最もメロディーやソロが多いのが特徴です。
高音域担当として、高音をパワフルに聴かせる技術が求められるだけでなく、ホルンパートのアンサンブルリーダーとして、4つの音のバランスを常に考えながら4パートをまとめます。
さらには他の楽器のトップ(1st)とコンタクトを取り、バンド全体の音作りを考えながら吹いていきます。
1stに向いているのはずばり、「黙って俺について来い!」な九州男児タイプです。
2ndは手のひらの上で1st奏者を転がす影のボス
2ndは下吹きなのに、上吹きの1stと同じ譜面にパートが書かれています。
つまり、1stが何をしているのかが常に把握できる状態なので、伴奏を担当したりハーモニーのピッチを気にしながら、いつも1stを気遣い影で支えてくれています。
だから向いているのは、「あなたに従います」な良妻賢母タイプです。
でも、1stが安心してソロを吹いたりハイトーンを飛ばせるかどうかは、実際のところ2ndの手腕にかかっていると言っても過言ではありません。
だから実は2ndは、ホルンパートのアンサンブルリーダーを操る、手のひらの上で1st奏者を転がす影のボスなのです!( ̄ー ̄)ニヤリ
3rdは控えめな副委員長
3rdは1stと同じ上吹きなので、1stと一緒にメロディーを担当することも多いです。
得意の高音で1stを支え助けながら、1stの代わりにメロディーを吹いたりもします。
3rdがしっかり者だと、1stはホルンパートを3rdに任せつつ、安心して他の楽器のトップとコンタクトを取れるので、その仕事は約半分に!
3rdはまさに「目立つのは得意じゃないから」と、品行方正で普段は控えめな副委員長タイプ。
でも時には、1stの代わりにホルンのアンサンブルリーダーを務めることもある、重要なセクションです。
4thは縁の下の力持ち
最後の4thは、ホルンパートの縁の下の力持ち。
4パートを底辺で支えてパート内のピラミッドを完成させる為に、常に太く大きな音で低音を響かせています。
けれどホルンにメロディーが回ってくると、4パートとユニゾンで高音のメロディーを吹き鳴らすこともあるので、単に低音域が得意なだけでは務まらず、幅広い音域を吹きこなせることが絶対条件です。
4thが下で安定した低音を響かせてくれるからこそ、他の3パートはそれぞれの役割に没頭できるのです。
そう4thは、常にどっしり構えて「サポートなら任せて!」な縁の下の力持ちタイプです。
こうして4パートごとの役割を見てみると、どのパートも大切で、なくてはならない存在なのがわかりますね!
ここまでホルン4パートの役割を詳しく紹介してきましたが、そもそもホルンに向いている人とは、どんな人なのでしょうか。
下記の記事で触れていますので、ぜひ読んでみてください!(^_^)
上吹きも下吹きも大切な理由を元パーリーが解説
クラリネットやフルートなどの大所帯と違って、強豪校などよっぽど人数の多い学校でない限り、全学年合わせても、ホルンには4~5人ほどしかしかいません。
ホルンは4パートあるので、ひとりで1つのパートを担当します。
たとえ人数が多い学校でも、コンクールメンバーとして選ばれるのはホルン全体で4人までなので、ひとり1パートを担当することになります。
つまりバンドの中で、他に同じ楽譜を吹いている人がいません。
だからとっても責任重大!!
さらにホルンには、和音で他の楽器どうしを繋げるというホルンならではの役目もあるのです。
ではホルン4パートは、どう割り振ればいいのでしょうか。
たまたま椅子に座った順かニャ?
それとも、年功序列で学年順?
両方とも、間違いです!!
そんな理由で決められても、不安要素しか残りません(+_+)
では、どうやって決めたらいいのか。
4パートそれぞれの役割を考えながら、個人の性格・向き不向き、音域・音の太さ・音量など、様々な角度から適性を判断して決めるのがおすすめです^^
1stはパートリーダーがなるべき?
例えば、1st。
1stはホルンのアンサンブルリーダーなので、パートリーダーがなるべきと思っている人もいるかもしれないけれど、そんなことはありません。
パートリーダーは、リーダーが集まる幹部会に出席したり、パート内の意見をまとめたり、演奏以外の事務的な仕事も多いので、楽器の上手い下手だけでは決めませんよね。
1stは演奏リーダーの意味合いが強いので、パートで一番上手な人がなるというイメージで良いかと思います。
4thは新入部員に任せて大丈夫?
そして、4th。
4thはよく、入部したばかりの新入部員にとりあえずで与えてしまいがちなパートです。
でもこれは、大きな間違い。
ホルンパートのピラミッドの一番下にいる4thが、安定したピッチで大きく太い低音を響かせていなければ、上にいる3パートは安心して吹けないと思いませんか?
もしホルンパートが5人いるのなら、1stから3rdまでを1人ずつにして4thを2人にすると、新入部員でもバランスが取りやすくなりますよ^^
もしぴったり4人しかいない場合は、まず4thは大きな音で低音を吹ける人を優先してみてください。
ピッチと音程は、その後の猛練習でどうにかクリアしてもらいましょう(^_^;)
ホルンは4つの和音で、他の楽器どうしを繋ぐ役目がある楽器。
それはホルンにしかできない、大切な役目です。
だから1stのパートリーダーや4thの新入部員のように、ひとつの理由だけでパートを決めるのは気が早すぎます。
2ndと3rdだって同じ。
上吹きの1stと3rdも、下吹きの2ndと4thも、どのパートも大切で欠けてはならないのです。
だからこそ、パートを決める時は慎重に。
パートリーダーさんが決める時でも、4人ぞれぞれの性格や向き不向き、音域や音の太さや音量など、様々な角度から適性を判断して決めてあげてくださいね!
まとめ
新入部員の担当する楽器が決まるこの時期に、今回は「ホルン4パートの役割は?上吹きも下吹きも大切な理由を元パーリーが解説」について、記事を書いてみました。
- 1st…ホルンパートのアンサンブルリーダーとしての素質が求められる。向いているのは「黙って俺について来い!」な九州男児タイプ。
- 2nd…向いているのは「あなたに従います」な良妻賢母タイプ。けれど1stが安心してハイトーンを飛ばせるかどうかは、実際のところは2ndの手腕にかかっている。手のひらの上で1st奏者を転がす影のボス( ̄ー ̄)ニヤリ
- 3rd…ハイトーンが得意で、時に1stに代わりリードもできる素質を求められる。本来は「目立つのは得意じゃないから2番手で」と、品行方正で控えめな副委員長タイプ。
- 4th…ホルンパートを底辺で支えながらも、メロディーがくれば1stとユニゾンで高音を吹くこともある為、幅広い音域を吹きこなせることが絶対条件。常にどっしり構えた「サポートなら任せて!」な縁の下の力持ちタイプ。
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