今回は、「吹奏楽【ゴールド金賞】の意味は?失礼過ぎるダメ金呼びに物申します!」について、記事を書いてみました。
吹奏楽の大会で、金賞受賞団体を『ゴールド金賞』と呼ぶ理由は、以下の通りです。
大会の表彰式で聞いた『ゴールド金賞』って何?
吹奏楽の大会に行くと、初めて出場した小中高生や、お子さんの演奏を聴きに来た親御さんたちから、時々聞く言葉です。
英語と日本語の両方を使うなんて、『ゴールド金賞』、なんだか特別感のある言葉に聞こえますね!
確かに金賞は、吹奏楽の大会においては最高賞になります。
ではなぜ金賞の前に“ゴールド”がつくのか。
初めての大会で聞いたその耳慣れない言葉の意味を、さっそくご紹介しますね^^
各地区ごとに夏から始まる、吹奏楽コンクール。
どの学校も、大会前は休み返上で練習に励みます。
夏の蒸し蒸しする体育館で、暑さのせいでどうしても上がり気味なピッチを気にしながら、最後の全体合奏。
吹奏楽部経験者なら誰もが、あの熱い日々を思い出すのではないでしょうか^^
私が住んでいる千葉県を例に、吹奏楽コンクールの流れを簡単に説明すると。
まず、学校が夏休みに入った7月下旬から、千葉県内の会館で県の予選が始まります。
予選を通過した上位団体は本選大会に出場することができ、8月初めの本選大会で県代表に選ばれると、次の大会である東関東大会に進みます。
その東関東大会で金賞を受賞した団体のうち上位3校が「吹奏楽の甲子園」と呼ばれる、全国大会に進むことができます。
この予選も含めて、吹奏楽の大会の表彰式では、金賞の前に“ゴールド”とつけて、『ゴールド金賞』と読み上げられるのが一般的です。
ではなぜ、吹奏楽の大会では、金賞受賞団体を『ゴールド金賞』と読み上げるのでしょうか。
現役時代、私も何度となく聞いた『ゴールド金賞』という言葉。
自分の学校の順番の時に、こう読み上げられるとテンションMAXになったものです♪
表彰式で『ゴールド金賞』と読み上げるのには、2つの理由があると考えられます。
『ゴールド金賞』と読み上げる、1つ目の理由は。
「銀賞との区別をはっきりさせる為」ニャ。
金賞と銀賞、声に出してみると、イントネーションが少し似ていますよね。
金賞と銅賞は聞き間違えることはなさそうだけど、金賞と銀賞は「えっ?どっち?」と、違いがわかりにくいように思います。
吹奏楽の大会では、出場したすべての団体に、金賞・銀賞・銅賞のいずれかが授与されます。
つまり、最高賞が金賞。
誰が聞いても金賞と銀賞を聞き間違えないように、金賞の前に“ゴールド”をつけて『ゴールド金賞』と読み上げるようになったと言われています。
さらに聞き取りやすように、金賞は『ゴールド金賞』、銀賞は「シルバー銀賞」と読み上げる地区もあるそうです。
『ゴールド金賞』、自分の学校がこう呼ばれるのかどうか、その瞬間を、どの学校のどの部員も、緊張の面持ちで見守ります。
『ゴールド金賞』と読み上げる、2つ目の理由。
「次の大会に進む団体を周囲に印象づける為」ニャ。
これは私も現役時代に経験しましたが、予選・本選を経て次の大会に進む団体を、会場内に印象づける為ではないかと思います。
県大会で金賞を受賞したら、それで終わりではありません。
金賞を受賞して次の大会に進めるかどうか、表彰式の一番の注文ポイントはそこなのです。
「今年はどの学校が代表に選ばれるんだろう?」
「今年も代表に選ばれますように!」
金賞受賞団体はもちろんのこと、その会場にいる誰もが注目するのが、次の大会に進む学校はどこなのかなのです。
『ゴールド金賞』と呼ばれない限りは、次がないので。
なのでまず、金賞を受賞した学校を『ゴールド金賞』と読み上げて周囲に印象づけ、次の大会への代表を発表するのが目的なのではないかと思っています。
吹奏楽の大会の表彰式で読み上げられる『ゴールド金賞』の意味がわかったところで、次は、「ダメ金」について説明しますね。
通称「ダメ金」というこの言葉、私は現役時代から好きではありませんでした。
言葉の持つ雰囲気からして、良い意味ではなく、逆の意味で使われる言葉だとわかってしまうからです。
「ダメ金」も、『ゴールド金賞』を受賞した団体であることには間違いないニャ。
では、金賞を受賞したのに、何が「ダメ」なのか。
吹奏楽の大会は、出場したすべての団体に、金賞・銀賞・銅賞のいずれかが授与されるので、最高賞が金賞になると、最初に説明しました。
例えば県の本選大会の場合、その最高賞の金賞を受賞した団体の中から、次の大会である支部大会に進む団体が選ばれることになります。
でも、金賞を受賞したすべての団体が、次の大会に出場できるわけではありません。
県大会の次は支部大会ですが、千葉県から出場できる枠は決まっています。
そして、支部大会である東関東大会への出場が決まった団体を「代表」と呼び、そうでない団体を、通称「ダメ金」と呼ぶのです。
それは、支部大会でも同じです。
支部大会(東関東大会)には、栃木・茨城・神奈川・千葉の4つの県で代表に選ばれた団体が出場します。
まずは、『ゴールド金賞』を受賞できるかどうか。
そして金賞を受賞した団体の中から、毎年たった3校のみが「代表」に選ばれ、全国大会に進みます。
「今年も全国に行けますように!」
「今年こそ、全国に行きたい…!」
東関東大会の表彰式で代表が発表される瞬間、2年続けて、私は息をするのを忘れていました。
他の金賞を受賞した学校の学生も、きっと似たようなものだったと思います。
そして金賞を受賞した団体の半分にも満たない3校が、全国大会への切符を手にすることになり、半分以上の団体が、まったくうれしくない通称「ダメ金」と呼ばれることになります。
この「ダメ金」呼び、私は好きではありません。
そもそも「ダメ金」なんて、誰がそう呼ぶようになったのでしょう。
私が現役の高校生だった20年以上前から、この言葉がありました。
県の本選はもちろん、支部大会で金賞を受賞するのはすごいことなのに、どうして「ダメ金」だなんて呼ばれてしまうのか。
当時から、すごく嫌だなと気になっていた言葉でした。
特に支部大会でこう呼ばれるのは、相当のダメージがあると思います。
東関東大会は、毎年全国大会に出場する常連校が複数いる激戦区です。
なので、金賞を受賞したのに「代表」に選ばれなかった学校を、私も見てきました。
悔しい気持ちも伝わってきたし、涙の意味も理解できます。
ライバル校だから声をかけるなんてできなかったけど、その涙を見て、代表に選ばれた重みを改めて実感したのでした。
出場枠に限りがある以上、選ばれる団体とそうでない団体があるのは仕方のないこと。
でもだからと言って「ダメ金」呼びは、どうなのかなと思います。
初めて聞いた時は、正直ムカッとしました。
だって、あまりにも失礼過ぎたんだもの。
実際にその学校が近くにいるのに、普通に呼んでいたことに。
きっと自分が当事者ではないから、平気で「ダメ金」と呼べたのでしょうしね。
でもきっと、代表に選ばれるかそうでないかは、そんなに大きな差はなくて。
全国大会の常連校でさえ、本番当日にベストな演奏ができなければ東関東代表にはなれないし、演奏順も少なからず影響するだろうし、運だってあると思います。
吹奏楽も審査員による採点方式だけど、スポーツのようにゴールに得点したら、ホームランを打ったら点数が入るような、明快な採点基準ではないんですよね。
そして、大会に出場すると金賞・銀賞・銅賞のいずれかを受賞するので、代表の数校だけを金賞にするのも、3つの賞のバランスが崩れてしまうのかもしれません。
だけど区別をつける為の「代表」は良いとして、その他の金賞団体に、呼び方なんていらないはず。
「ダメ金」の“ダメ”はまるで、金賞を受賞したことがダメなことのように聞こえてしまいます。
「そんなことないよ! 県の本選大会での金賞もすごいし、支部大会の金賞なんて、もっとすごいことなんだよ!」と、声を大にして言いたいです。
誰が言いだしたのかわからない、代表には選ばれなかった金賞のことを呼ぶ「ダメ金」という言葉。
この失礼過ぎる呼び方がなくなって、もっと『ゴールド金賞』を受賞した凄さをわかってもらえたらと思います。
『ゴールド金賞』の意味を知ると同時に、思いやる気持ちを持ってもらえたらうれしいです^^
今回は、「吹奏楽【ゴールド金賞】の意味は?失礼過ぎるダメ金呼びに物申します!」について、記事を書いてみました。
吹奏楽の大会で、金賞受賞団体を『ゴールド金賞』と呼ぶ理由は、以下の通りです。
『ゴールド金賞』は、毎日長時間の厳しい練習を頑張ったご褒美かも^^
こう読み上げられるといつも、「練習は裏切らない」という言葉を思い出していました。
『ゴールド金賞』でも「代表」と「ダメ金」に分かれてしまうけれど、きっとその差は、ほんのわずかなのだろうなと思います。
「代表」に選ばれた学校は、「ダメ金」だった学校の人たちの思いも感じて、次の大会に進みます。
「ダメ金」だった学校の下級生は、その悔しさを胸に、来年こそはと思いを繋ぐのでしょう。
そしてその思いが、聴いている人たちにもちゃんと届きます^^
毎年繰り広げられる学生たちの熱い闘いを、今年も楽しみにしたいと思います!