先月は、吹奏楽連盟で最上位となる大会が続きましたね。
10月12日と13日は、金沢歌劇座で「東日本学校吹奏楽大会」、10月19日と20日は、名古屋センチュリーホールで「全日本吹奏楽コンクール」が行われました。
10月13日は、息子の応援で私も金沢へ行ってきました。
そこで今回は、「東日本学校吹奏楽大会2019 ステージ裏でハラハラ鑑賞!~小学生部門」と題して、大会に出場した子を持つ保護者目線でまとめてみました。
大型の台風19号の影響で、出発日の前日に「子ども達は大会に出場できるの?(>_<)」と不安になったり。
大会当日の朝には北陸新幹線が運休になり、別の帰路を考えながら本番前に金沢駅へ行き、新幹線・特急の指定席券売機前で長蛇の列に並んだり。。
大会以外にも心配事があるなかでの遠征となりましたが、実際に会場で子ども達の演奏を聴いて感じたことなど、保護者の目線でレポートします。
東日本学校吹奏楽大会は、北海道・東北・東関東・西関東・東京・北陸の6つの支部の代表が出場する大会です。
今年の小学生部門では、各支部で推薦された12校が出場しました。
今年、東関東支部の推薦で出場した小学校は、私が住む柏市内の2校。
ちなみにこの2校は、千葉県代表でもありました。
柏市内の小学校が東関東代表の2枠を独占する快挙だったニャ!
私の母校でもあり強豪校のイチカシ(市立柏高校)があるので、柏市は吹奏楽の活動が盛んで、小学校も中学校も、東関東大会で多くの学校が金賞を受賞しています。
今年の東日本学校吹奏楽大会(小学生部門)の結果は、以下の通りです。
出演順 | 支部 | 小学校 |
---|---|---|
2 | 北海道 | 遠軽町立南小学校 |
3 | 東関東 | 柏市立酒井根東小学校 |
5 | 北海道 | 札幌市立屯田西小学校 |
9 | 東北 | 矢巾町立煙山小学校 |
10 | 東関東 | 柏市立柏第二小学校 |
11 | 西関東 | さいたま市立大宮南小学校 |
12 | 東北 | いわき市立湯本第一小学校 |
出演順 | 支部 | 小学校 |
---|---|---|
1 | 北陸 | 鯖江市惜陰小学校 |
4 | 東北 | 岩手大学教育学部附属小学校 |
6 | 東京 | 中野区立武蔵台小学校 |
7 | 東京 | 武蔵野市立第三小学校 |
8 | 西関東 | 甲斐市立敷島南小学校 |
※銅賞受賞団体:なし
出場団体12校のうち、金賞は7校、銀賞は5校という結果でした。
ちなみに各団体の表彰前には指揮者賞の贈呈があり、北陸吹奏楽連盟から12団体の指揮者全員に、大会オリジナルの風呂敷に包まれた石川県産の新米が授与されました^^
主管の北陸吹奏楽連盟のホームページにも、大会の結果が掲載されています。
→北陸吹奏楽連盟のホームページはこちらから。
今年の金賞団体の演奏を聴いて感じたのは、ズバリ小学生離れしていたこと。
支部代表として東日本大会に出場しているので、上手なのは当たり前と言ってしまえばそれまでかもしれないけれど、どの小学校もハイレベルな演奏が続きました!
今年、東関東代表として出場した小学校のうち1校は、息子が通う小学校でした。
千葉県大会でまず金賞を取ることができて、東関東大会への出場を決めて、それだけでもうれしかったのに。
次に東関東代表に選ばれた時には、親も「えっ?いいの?!」とビックリしながらも大喜び。
ロビーに置かれた、成績発表と同時に結果が書き込まれる進行表の前で、しばらく放心状態でした。
それは、表彰式に出席していた先生や子ども達も同じだったようで。
東関東大会での本番の演奏は、緊張のせいか県大会の時よりも音がやや硬く、実力というよりも運が味方をしてくれて、もう一度演奏するチャンスを与えてもらったような、代表の座だったように感じました。
それでも、「運も実力のうち」ニャ!
このメンバーでもう一度コンクールに出られる幸運を素直に受け止めて、子ども達は休日も部活に励んでいました。
東関東大会の1週間以上も前から、ニュースで厳重警戒をされていた台風19号。
開催地の金沢も、直撃の予想はないものの、大会の開催が心配されていました。
北陸吹奏楽連盟のHPでも、大会3日前には予定通り開催することが発表されたものの、息子の小学校でも大会前日に金沢入りする子ども達を心配する声が上がり、大会2日前に出場が危ぶまれる事態になりました。
子ども達の安全を最優先に考える学校側と、今まで頑張って練習を重ねてきた子ども達。
そして、それをずっとそばで見守ってきた保護者たち。
それぞれの思いが交差する中、子ども達の思いと保護者の熱意が学校側へ伝わり、息子の小学校もなんとか参加が決まりました。
私も「手伝えることがあるなら、どんなことでもしよう」と思っていましたが、当日のパーカッション搬入を急きょ保護者にお願いしたいとの連絡があったので、すぐに立候補しました。
「パーカッションなんて触るのは何年ぶりだろう?」と、息子たちのステージの他にも小さな楽しみが増えたところで、本番当日を迎えました。
大会当日の朝は、車両基地で北陸新幹線が水没したニュースを観て、一気に目が覚めて。
「千葉に帰るのはどうしたらいいの?!(>_<)」と、てんやわんやなスタート。
パーカッション搬入のお手伝いで会場入りする時間が迫る中、金沢駅でまず北陸新幹線の切符を払い戻し。
すぐに千葉への帰路を調べ、特急で米原まで行き東海道新幹線に乗り換えて東京まで帰るルートで特急券を買い、なんとか当日中に帰る手段を確保しました。
まだ会場にも着いていないのに、なんだかすでに、どっと疲れが。。(>_<)
でも本番終了後だと駅の券売機ももっと混雑していたと思うし、実際に当日中に帰る特急電車の指定席は早い時間に売り切れてしまったようなので、朝のうちに帰る手段を確保しておいて正解でした。
子ども達も北陸新幹線で帰る予定だった為、急きょ現地解散が認められ、保護者が来ている子ども達は、現地解散になりました。
(そんな朝の親の苦労などまったく知らない列車好きな息子は、「特急しらさぎ? やった! 初めて乗るね!」と、本番終了後、ご機嫌に特急列車に乗り込んでいました(・・;))
やっと会場に着くと、もう開演の時間。
出演順2番の小学校の演奏を聴き終えるとすぐ、パーカッション搬入のお手伝いの為に搬入口へ。
予定よりも多い人数の保護者が集まり、それぞれ担当になった楽器を持って、ステージ裏へと向かいました。
吹奏楽経験者なこともあり、私はパーカッションの中でも、一番大きなティンパニを持つことに。
途中チューニングの為に別室に入ると、ティンパニ担当の女の子が「チューニングを8分でやるなんて無理!(>_<)」と緊張した様子。
他のティンパニ運びの先生やお母さんと、「大丈夫! 8分もあればできるよ!」とまずは落ち着くように声をかけると、気持ちの切り替えができたのか、その子はものの2~3分でチューニングを終えてしまいました^^
楽器を運びながら、ステージ袖へ向かう途中も。
「今までたくさん練習してきたんだもん、大丈夫!」、
「ここまできたら楽しもう!」と、お母さん達が、パーカッションの子ども達に声をかけ続けました。
パーカッション以外の子ども達とも、ステージ袖で合流。
少し距離があって直接言葉を交わすことはできなかったけど、目が合った息子とも、お互いに頷いてガッツポーズ。
前の小学校の演奏が終わると同時にステージへ入場し、ティンパニをひな壇へ持ち上げてセッティングを終えたところで、ふともう一度息子の方を見てみると、すでにその視線はもう、まっすぐに指揮者の先生へと向けられていました。
ステージ袖に戻って、搬入を手伝った他のお母さん達と、子ども達の演奏を見守ります。
私たちが待機したのは、ステージ袖といっても、花道の裏側に当たる位置。
だから演奏中の子ども達の表情も、よく見ることができました。
それはきっと、子ども達も気づいていたはず。
視線は指揮へと向いていても、親の存在をすぐ近くに感じて、リラックスして演奏できたようです。
息子の小学校は、出場した12団体の代表校の中でも、特別秀でた演奏をした訳ではないと思います。
ただ、今までの大会で聴いたどの音よりも柔らかく、会場に心地よく響いたように感じました。
出発前日まで大会への出場が危ぶまれたことでの子ども達の不安や、棄権するかもしれないと知って学校へ駆けつけた保護者たちの思い、そして出場が決まったことへの安堵など。
今まで関わってくれた人たちへの感謝の気持ちや、本番のステージで演奏できる喜びや楽しさが上手く音に乗って、会場中に鳴り響いたように思います。
演奏後に会った息子いわく、「緊張はしてなかったはずなんだけど、お母さんの顔を見たら力みが取れてね、今までで一番楽に音を出せたんだ。高音も全然苦しくなかったし、吹くのが楽しくてあっという間だった!」そう。
「そうでしょ。お母さん、『みんなが楽しく吹けますように。できればミスも、ほんの少しで済みますように…!』って、頭の中でずーっとブツブツ唸ってたもん。」と言うと、息子が満面の笑みを見せてくれました。
今までのどの大会よりも心のこもった演奏ができた息子たちの小学校は、見事金賞を受賞。
ただひとつだけ、残念だったことは。
台風の影響で予定が変更になり、現地解散する子ども達がいる為、表彰式の時に会場にいたのが、指揮者の先生と表彰を受ける代表児童2人の3人だけだったこと。
演奏した子ども達のほとんどが、バス内での待機中に、金賞の報告を受けたのでした。
東日本大会で出場できるだけでも名誉なこと。
さらに金賞を受賞したのだから、どうせなら他の小学校の児童と同じように、会場内で金賞の喜びを分かち合いたかったです(涙)
そして、東日本大会で「いいな」と感じたことがひとつ。
それは、結果発表前に行われた、12団体の指揮者への指揮者賞の贈呈。
自分たちの学校の先生の名前を呼ばれると、「○○先生、ありがとう!」という声が会場のあちこちから聞こえてきました。
「□□先生、だ~い好き!」と、先生に向かって子ども達が大きな声で叫んでいる姿が微笑ましかったです^^
子ども達に名前を呼ばれて立ち止まり、片手を耳に宛てて「なあに?」とジェスチャーする先生も^^
そんな小さな場面でも、先生と子ども達の間にしっかりとした絆が垣間見えて、会場からは温かい拍手が贈られていました。
うちの小学校の子ども達もバス内待機ではなく、会場内で同じように先生に「ありがとう」を伝えられていたら。。
それでも私のすぐ前の席で、6年生のお母さん達が、せーので「先生、ありがとう!」と叫んでいて、その声はしっかりと先生に届き、お辞儀をしながら笑顔を見せてくれたのでした^^
今回は、「東日本学校吹奏楽大会2019 ステージ裏でハラハラ鑑賞!~小学生部門」について、大会に出場した子を持つ保護者目線でまとめました。
7月後半から始まった千葉県大会から息子の小学校を追いかけてきましたが、小学生部門では最上位となる東日本学校吹奏楽大会で、金賞を受賞することができました。
台風の影響で出場も危ぶまれ、子ども達の行動も予定が変更になったり。
保護者も急きょパーカッション搬入をお手伝いすることになったりと、不安や心配が消えない中で大会当日を迎えましたが。
本番の演奏は、当日までお世話になった学校の先生や講師の先生、練習場所を提供してくれた近隣の小中学校への感謝の気持ちがこもった演奏でした。
そして、夏からずっとそばで支え続けた保護者の思いさえも音に乗せて、最上位の大会で演奏できる喜びや楽しさが伝わってきました。
「運も実力のうち」と言うけれど。
あの日の演奏は、たくさんの人たちの思いがひとつになって後押しし、子ども達は実力以上の力を発揮できたのではないかなと感じています。
他の11校の小学校にも、きっとそれぞれ、いろいろなドラマがあったはず。
演奏終了後の表彰式でも、受賞した賞の色は関係なく、あの日出場した12校のすべてに、大きな温かい拍手が贈られていました。
こうして書いている今も、あの日の各学校の演奏を思い出すと、心が熱くなります。
あの日金沢で演奏した12校すべてに、私ももう一度、大きな拍手を贈りたいと思います。